死の3日前、母はいつものようにベッドに寝ていた。
近頃、横になっていることが多く、その日も寝ていた。
その間に、父と車で買い出しに行った。
野菜、ビール、母の好きな日本酒、インスタント麺、などなど。
スーパーの袋たくさん詰め込んで、実家に帰った。
母はまだ寝ていて、
ドアをコンコンとたたき、大きな声で呼びかけた。
起きて、身体を起こした。
父がグラスに入れたビールを持ってきて
富山弁で「飲まれ」と優しく手渡した。
母は嬉しそうに受け取りながら、
こんなに飲めないといいながら、グラスに口をつけた。
口に含んだものの、飲み込めてないような、変なこごもった声でありがとうと言った。
少し違和感を感じながら、また来るからねと大きな声で言って帰った。